布ナプキンを使い始めて、お洗濯にも慣れて来たけれど…
だんだんと取れづらくなってくるシミ汚れ。
お気に入りのデザインのものだったりすると、なんだかとても残念な気持ちになりますよね。
茶色くなってしまった経血のシミ汚れには、「煮洗い」が効果的です。
INDEX
煮洗いするとこんな良いこと!
布ナプキンの洗濯以外で、煮洗いをしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。たとえば、ふきん、お子さんの靴下や下着など。
煮洗いは、清潔に使いたい布製品をキレイにしてくれるんです。
煮洗いすることで、黄ばみなど汚れを落とすだけでなく、除菌・なかなか取れない生乾きのニオイもスッキリ落とす事ができます。
煮洗いと煮沸の違いって?
ふきんや食器、調理器具の煮沸の経験は、みなさんあるのではないでしょうか。
「煮沸」とは、いわゆる熱湯消毒。殺菌の効果があります。
鍋で湯を沸かしその中にふきんなどを入れぐらぐら煮立たせます。だいたい5分ほど火にかけます。
約100℃くらいの温度で、食中毒の原因になる菌に効果があります。プラスチック製品は溶けて変形したりするので煮沸消毒はNGです。
またビンなどガラス製品は、熱湯に入れると割れる危険があるので、水の段階から火にかけてくださいね。
これに対して「煮洗い」とは、「煮沸+洗剤」。殺菌もしながら、洗剤を使って落ちない汚れやニオイを取り除く!という洗濯方法。使用する洗剤は、重曹や粉石けんです。
よく外国の古い映画などで、大なべに洗濯物を入れて木の棒でかき回している…なんていうシーンを見た事ありませんか?あれも煮洗いをしているんです。そう、煮洗いは昔からある洗濯方法。
お湯で洗う事で洗剤の効果が高まり、汚れも落ちやすくなります。
白い下着やブラウスなど、黄ばみなどが気になりやすいアイテムにはとても効果的なんです。
布ナプキンについてしまったシミ汚れも、煮洗いでかなり落とす事ができますよ。
また、未使用の布ナプキンは、一度予洗いすることで生地に含まれる油分を落とし、吸収力を高めてくれます。煮洗いで、完全に油分を落とす事ができます。油分落としの煮洗いは、洗剤を使わなくてもOKですよ。
布ナプキンの煮洗いってどうやるの?道具は何を揃えたらいい?
煮洗い用鍋
まずは、火にかける為の鍋ですが、これはステンレスのものか、ホーロー製が良いです。
アルミ製のものは、重曹など使用する洗剤のアルカリ成分で、変色・腐食してしまうなど鍋を傷めてしまいますのでおススメしません。
ステンレス、ホーローであれば大きめのボウルでも代用できますが、アツアツの鍋から布ナプキンを取り出す時、鍋を支えるために持ち手がある鍋の方が◎。新しいものを準備しなくても古い鍋などを洗濯用に下ろして使っても良いです。
アルカリ性の洗剤や粉石けん
次に洗剤です。基本的に、粉洗剤でも液体洗剤でも煮洗いはできますが、布ナプキンのお洗濯でよく使用される「セスキ炭酸ソーダ」や「重曹」、また粉石けんなどがおススメ。
皮脂や血液などタンパク質の汚れには、アルカリ性の洗剤がピッタリ。重曹もセスキ炭酸ソーダもアルカリ性です。粉石けんは「複合石けん」「合成洗剤」でない無添加の石けん洗剤の方が、布ナプキンの煮洗いにはおススメです。合成洗剤に含まれる界面活性剤などは布ナプキンのやさしい風合いや肌さわりを損なう事があるからです。
さらに粉石けんは、煮洗いに向いていて汚れをしっかり落としてくれます。
また、なかなか取れない汚れには酸素系の漂白剤、ニオイ汚れにはクエン酸の洗剤なども◎!
布ナプキンを取り出すトング
そして、煮洗いした洗濯物を鍋から取り出す時に使うトング。料理用のトングは煮て熱くなった洗濯物を取り出すのにピッタリです。
使い古したものや、100円ストアなどで購入しても良いですね!
菜箸などでも代用できますが、箸を伝って熱湯が手に垂れてくるなど火傷の恐れがあるので、注意が必要です。
取り出した洗濯物の受け皿にバケツやボウル、鍋を押さえるミトンなど
鍋から取り出した洗濯物は、バケツやボウルなどに入れて水洗いするので、鍋の近くに準備しておきましょう。ミトンやふきんなども手元にあると安心です。
やってみよう!布ナプキンの煮洗い
では、煮洗いの方法についてです。布ナプキンを洗濯してみたけれど、経血の汚れがちゃんと落ちていないな…という布ナプキンを準備します。
一体型布ナプキンの様に、防水布が中に入っているものは煮洗いできません。防水布が熱で傷んでしまうためです。
草木染めなどを施しているものも、色落ちの原因になります。色落ちさせたくない場合は控えましょう。
また、プラスチックのホックなども、あまり長時間煮続けると痛みの原因になりますのでお気を付け下さい。
①水に洗剤を溶かし、布ナプキンを入れて火にかける
水1Lに、重曹など洗剤を小さじ2杯ほど入れ溶かします。だいたい溶けたら布ナプキンを浸け、そのあと弱火で20~30分ほど煮ます。
ちょっと洗剤の量が少ないなと感じる場合は少しずつ足してみて下さい。
温度は、40~50℃くらい。それ以上高いと血液汚れは凝固してしまいますのでご注意を。
弱火で煮ていくと、だんだん汚れが浮き出て、お湯が濁ってきます。もし、汚れがひどくなかなか落ちていないなと感じたら、酸素系漂白剤を入れてみてくださいね。
②30分煮たら、トングで取り出す
30分ほど煮たら、トングなどで取り出しバケツに入れ、水ですすいでいきます。
この時、煮洗いした布ナプキンは、かなりアツアツになっています!火傷に注意してください!
③布ナプキンを軽く手洗い
布ナプキンが冷めたら、汚れ部分を軽く手洗いしてください。またこの時点で汚れが落ち切っていないようでしたら、固形石鹸などをつけてこすってみて下さい。これでよりキレイになります。小さい洗濯板などがあると便利ですよ。
④脱水して干す
あとは普段のお洗濯と同じように脱水して干すだけですが、すすぎが足りないと感じる場合は、ネットに入れて洗濯機で他の衣類と洗濯しても良いです。
また、すすぐ際にクエン酸の洗剤を入れると柔軟剤の代わりになり、ふんわりと仕上がりますので試してみて下さいね。
この流れは、靴下や肌着などにも使えます。泥汚れや黄ばみが気になるアイテムにもぜひどうぞ。
煮洗いの注意点
煮洗い大丈夫!?素材の確認をしましょう!
上でも少し触れましたが、防水布など化繊を使用したものは煮洗いできません。熱で生地が傷んで縮んだり、防水布の場合は、防水効果が弱まる原因に。シルクやウールを使用した布ナプキンは、熱湯で洗う事で、生地を傷めたり風合いを損う原因になるので避けましょう。
コットンやリネンで作られた布ナプキンは煮洗いしても問題ないですが、煮洗いはしっかり汚れやシミを落としてくれる反面、洗浄力が高い洗濯方法ですので、何回も行う事で全体的な消耗につながります。気になって仕方ない経血のシミ汚れなど、どうしても落としたい汚れがある場合など、ここぞという時にやりましょう。
また、色柄物も、色落ちの原因になる場合がありますので避けた方が良いでしょう。特に後染めしている生地は他の洗濯物への色移りなども考えられますので、普段のお洗濯の様に、白いものとは分けた方が良いです。
長く使っていくうちに、どうしてもシミ汚れはできてしまいますが、キレイに汚れが取れると、次に使う時も嬉しいものです。
お気に入りだからこそ、ずっと使いたい!そんな方はぜひ、煮洗いにトライしてみてくださいね!