こんにちは。看護師・アロマセラピー講師のたけださなえです。
生理中、あるいはPMS(月経前緊張症)などで感情のムラが起きたりすることはないでしょうか。今回は、そんなときに集中力を高める「ローズマリー」をご紹介します。
人によって生理のつらさは異なる~月経随伴症状って何だろう?
その前に、生理の不快な症状についてお話ししましょう。
生理の不調にまつわる言葉でよく聞くのがPMSです。PMSは『月経随伴症状』のひとつ。
『月経随伴症状』とは、生理にまつわる変化において、日常生活に支障をきたす症状の総称をあらわします。他に、月経困難症(月経痛症)、周経期症候群も月経随伴症状です。
月経困難症(月経痛症)と、周経期症候群とは
月経困難症(月経痛症)の主症状は、その名の通り下腹部痛や腰痛です。
周経期症候群(PEMS)は少し馴染みのない言葉ですが、「月経前期から起こり、月経中に最も強くなる精神的、身体的、社会的症状で、月経痛症に起因する症状」と定義されています。
こちらは「月経痛症に起因する」とあるように、原因は月経痛です。下腹部痛や、腰痛、頭痛に加え、集中できない、人に会いたくないなどの症状があります。
「痛みで動けないくらい辛い」という方もいれば、「少し生理痛があるし、少し感情のムラもある。少し辛い。でも、仕事ができないくらいほどではない」という方まで、症状の重さは人それぞれです。
大多数の人は後者かもしれませんね。しかし、仕事を休むほど症状がひどいというわけではないけれど、普段通り過ごせるのかというとちょっと違うもの。こんな時って、うまく集中できない、集中が続かない。そんな悩みをお持ちになる方が多いです。
そんな時は「集中力」をアロマにサポートしてもらいましょう。
ローズマリーでスッキリ集中!
ローズマリーのキーワードは、「集中」「記憶」。認知症との関係でテレビに取り上げられたことがあるので、ご存知の方も多いかもしれません。スッキリとした、すっと鼻に通るようなさわやかなグリーンの香りです。
ローズマリーとひとことで言っても、産地や環境などで成分が大きく異なり、それぞれ異なる種類として扱われるため、数種類存在します。今回紹介するのは「ローズマリー・シネオール」。1.8シネオールという成分が特徴的なものを指します。
ローズマリーは身近な存在
ローズマリーは、頭をすっきりさせたい時、集中したいとき、前向きになりたい時サポートしてくれる精油です。仕事の休憩や、勉強の合間などにぴったり。ぜひコットンやティッシュに垂らしたりして気軽に香りを楽しんでください。
ローズマリーは、通経作用があるとされており、循環促進、血行促進にすぐれています。そのため、血行不良、うっ滞などによる生理痛にお悩みの方にはサポートになる精油です。循環を促したいときや、むくみが辛いとき、頭痛が辛いときなどにも役立ちますよ。ただし、頻発月経や月経過多の方は控えた方がよいでしょう。
ローズマリーは、園芸店や大きなスーパーなどで入手しやすいハーブでもあります。スワッグのようにひとまとめにして、壁に吊るすとよい香りが楽しめます。ハーブティーとして売られている場合は細かい葉っぱの状態になっていますので、スワッグにはできませんが薄い布の袋やだしパックなどに入れてサシェとして楽しむことができます。
精油として、ハーブとして、ライフスタイルに合った方法で香りを取り入れてみてくださいね。
豆知識~ハムレットにも登場するローズマリー
ローズマリーといえば、有名なエピソードはシェイクスピアのハムレット。ハムレットの恋人オフィーリアが、狂気の中歌う場面でローズマリーは登場します。正気を失っているオフィーリアは、自分の兄をハムレットだと思い、兄に「はい、ローズマリー、思い出の花よ。愛しい人よ、忘れないで。これはパンジー、人恋うる花よ。」と、ローズマリーと三色すみれを渡します。ローズマリーの花言葉は記憶、思い出を表していますし、三色すみれの花言葉は私を思って。
気が狂い昔と変わってしまった恋人に渡すには、あまりにぴったりの植物です。
実際は、ハムレットは気が狂ったフリをしているのですが、オフィーリアはそのことを知りません。結果、他の悲しい出来事も重なり自身が正気を失ってしまいます。
ハムレットの詳しい話は割愛いたしますが、他にも効果的にたくさんの植物が登場しています。ご興味のある方はご一読くださいませ。
〈注意事項〉
・妊娠中は使用を控えましょう。
・高血圧の方は使用を控えましょう。
・頻発月経・月経過多の方は使用を控えましょう。
・多量(高濃度)での使用は控えましょう。
・てんかんの発作を起こすことがある方は使用を控えましょう。