こんにちは。看護師・アロマセラピー講師のたけださなえです。

更年期、PMS。どちらのも女性特有の悩みですが、体がだるい、落ち込みやすい、イライラする、肌の調子が気になる……など、悩みの種類は人それぞれ違います。

今日はその中でもお悩みの方が多い「イライラ」についてお話しします。

あなたがイライラする理由とは?

イライラ

繊細な感情の揺らぎは、女性の魅力のひとつ……であると思うのですが、自分でコントロールできなくなってくると、とても辛いですよね。

精神科医の名越康文先生が著書に書いておられたのですが、私たちは日々の【出来事】に色々トッピングしてしまうことで感じ方が変わるそうです。

空腹を例に出されていましたが、ただお腹がすいただけなら耐えられるはずの空腹が、

「○○さんのせいで残業になったからご飯が食べられない」

「急に○○の予定が入ったから食事が遅くなる」

といったトッピングが入ることで、体の感覚をより不快に、より強く感じるようです。

大抵このような時は、体の感覚だけではなく

「○○のせいで、食べられなくなった!そのせいでこんなにお腹がすいている!」

とイライラの感情までついてきてしまいます。

わかっているけどイライラする!そんなときこそ香りが役立つ

精油(エッセンシャルオイル)

これらのトッピングをなくしてしまう方法は、【出来事】に対し、何かのせいにすることをやめること。【出来事】と切り離して考えること。そうすることで、自分を爽やかな状態に保つことができます。

……とはいえ、それがなかなか、難しいんですよね(笑)

怒りを感じることは、けっして悪いことではありません。しかし、あまりイライラしたくない、もう少し笑って過ごしたい、と思う時は精油(エッセンシャルオイル)の香りに甘えてみてはいかがでしょう。

怒りや、驚き、喜びなどの心因反応のことを『情動』と言いますが、情動に関係している部分が脳の扁桃体です。精油を使えば、芳香成分がピピっと電気信号となって、あなたの脳に届き、イライラを和らげる助けになってくれるはずですよ。

イライラ解消にはイランイラン!南国のバカンス気分を味わえる?

ジャワの花嫁

今回ご紹介する精油は「イランイラン」。うっとりするような甘い香りが特徴です。

イランイランは、自由に手足を伸ばしたような形の美しい黄色の花。その姿はまるで、自由奔放で美しい南国の女性のようです。ジャワなどでは新婚初夜にベッドにこの花をまくことも。ロマンチックなエピソードを持つ香りでもあるのです。

イランイランは、興奮や怒りなど、高ぶった感情を、ゆったりと抑えて穏やかな気持ちになりたい、自分らしく生きられない、自分の身なりに構おうと思えない時にオススメです。

もし、香りが苦手に感じる時はオレンジ・スイートマンダリンベルガモットなど柑橘系の香りと合わせてみてください。フレッシュさが加わって嗅ぎやすくなると思います。

心が疲れた日、頑張った日はオレンジ・スイート3滴 イランイラン1滴で寝る前に芳香浴、なんて素敵だと思います!

香りでうっとりと、南国のバカンスを楽しんでください。

イランイランの豆知識

イランイラン

イランイランの精油は、抽出の段階で名前が異なり、下記に分けられます。

・エクストラ

・ファースト

・セカンド

・サード

・コンプリート

(※メーカーによって販売時の名称は異なります)

最初に採れる、いわゆる一番搾りがエクストラ。その次が、ファースト、そしてセカンド、サードとなります。コンプリートとは、段階をわけずに植物の成分を丸ごと抽出したものです。

そのため、イランイランとひとくちで言っても、それぞれ成分が異なるため、香りも違います。

私の個人的な感覚としては、エクストラは鮮烈な甘み、サードの方は重みのある甘みに感じます。

それぞれ香りに個性がありますので、ぜひどの香りが好みか嗅ぎ比べて、ご自身にフィットする香りを見つけてみてくださいね。

使用上の注意

イランイランは敏感肌を刺激する可能性があります。また、集中したいときは使用を控えてください。

高濃度での使用、長時間使用することは避けてください。頭痛や吐き気を引き起こすことがあります。低血圧の方は特にご注意ください。

参考文献/『心がスーッと晴れ渡る「感覚の心理学」』 名越康文 角川SSC新書2012