こんにちは。看護師・アロマセラピー講師のたけださなえです。
今回は、アロマセラピーといえばこの精油。ラベンダーについてお届けいたします。
女性の悩みに役立つことはもちろんですが、活用の幅は広く、使いやすい精油。もし、香りが苦手でなければお家に一本持っていて損はない!と、オススメしたい精油のひとつです。
ラベンダーとアロマセラピーの深~いカンケイ
ラベンダーはアロマセラピーという言葉と深い御縁のある精油です。
さかのぼること1920年代。フランスの化学者、ルネ=モーリス・ガットフォセが研究中に火傷を負い、とっさに近くにあったラベンダーの精油に手をつけとところ、火傷は跡も残らずに治ったそうです。そこでガットフォセは精油について研究を始め、『アロマセラピー 芳香療法』という言葉を作りました。
このエピソードから、ラベンダーは、アロマセラピーという言葉が生まれるきっかけになった精油とも言われています。精油自体は、もっと昔から使われているものですが、『アロマセラピー』という言葉自体はまだ生まれてから100年くらいなのですね。
PMSにも生理痛にも。手元に1本置いておきたい、万能アロマ
ラベンダー、と聞くと「落ち着く」「リラックス」というイメージがあるでしょうか。もちろん、そのイメージどおり、不安や焦り、動揺する気持ちがある時は落ち着かせてくれる精油です。
それと同時に、反対に落ち込んでいる時にはやさしく元気づけてくれる精油でもあります。心を安定させてくれることに役立つので、PMSの気分のムラで悩んでいる時にオススメです。
また、生理痛が辛い時、ラベンダーのトリートメントオイルで、下腹部をやさしくマッサージしたり、温湿布をして温めてあげる方法もオススメです。
妊娠初期には使用は避けたほうがよいのですが、海外においては出産時に用いられることもあります。出産時の使用について臨床実験をした結果、最も不安を軽減し、痛みを和らげ、気分を明るくした精油がラベンダーであったそうです。
日焼けの後のケアに、風邪予防に、虫よけに、虫刺されに、不眠に……。
とにかく活用の幅の広い精油です。精油の母、とも呼ばれることもあるラベンダー。確かに、風邪をひかないように、虫にさされないように、あれこれ手を尽くしてくれるお母さんのようですね。
ラベンダーを、マザーテレサになぞらえた一節がありますので、ご紹介いたします。
“疲れ知らずでどんなときも落ち着いていて、いつもやさしく、献身的なラベンダーは千の病を世話し、落ち着かせ、治す。ラベンダーは子供、大人、老人の世話をし、動物、植物、大地、空の面倒を見る。ラベンダーは誰にも同等の愛を注いでいる。世界中でただ一人彼女が顧みない人がいるとすれば、それは彼女自身である。”
PMSで気持ちが不安定で、コントロールできない時。生理痛で辛い時。気持ちが消耗してしまったとき、うまく眠れない時……。
ラベンダーの優しい香りに甘えてみてください。きっとあなたの助けになってくれると思います。
生理痛におすすめ!ラベンダーの温湿布
ラベンダーは、芳香浴やお風呂、トリートメントと様々な方法で楽しむことができますが、今回は生理痛の時にやさしくお腹を温める、温湿布をご紹介いたします。
用意するものは
・タオル
・熱めのお湯を入れた洗面器
まず、洗面器に触るにはちょっと熱いな、と思うくらいのお湯を張り、ラベンダーを2滴入れます。
そこにタオルを浸して絞り、あとはそのタオルを体にあてるだけ。
生理痛のときは下腹部に。
腰の痛みのほうが辛いなら腰へ。
普段、肩や首がつらいときにもオススメの方法です。辛いところにあてて、じんわりとあたためてあげてください。くれぐれも火傷にはご注意ください。
よい香りと、心地よい温かさで体も心もゆる~くリラックスしてくださいね。
【注意事項】
妊娠初期には使用を控えてください。
参考文献/『アロマセラピー完全ガイド上巻』サルバトーレ・バタリア著
溝口恭子訳 パーフェクトポーションジャパン株式会社 2012